あーーーやだやだ!
数字きらーい!
あ、どうも。
おはよーさん、かみのすけです。
取り乱してすみません。
突然ですがこれ、見たことありますか?
「耳標(じひょう)」っていいます。
これを牛さんの耳につけるんです。
↑このように、日本国内の牛には全頭ついています。
いわゆる個体識別番号。
人間で言う、マイナンバーですね。
最初の写真にモザイク加工をしたのには、理由があります。
それは個人情報(個牛情報)だから。
この10桁をインターネットで検索すると、トレーサビリティといって、どこの農場の、誰のどの牛で、何月何日に産まれて、いつ出荷されて・・・といった詳細な情報が全てわかります。追跡できるのです。
かみのすけの勤務先の農場では200頭ほどの牛さんがいるのですが、基本的にこの個体識別番号が共通言語になっています。
この前、子牛を産んだお母さん牛。
首に番号がありますね。
この牛さんは「ミルキー」という名前がついているのですが「1221」と呼ばれています。
産まれたばかりの子牛はまだ耳標がないので、「1221の子」とか呼ばれます。
仕事なので、共通言語で覚えなければならないのですが、
どうも家畜っぽくて、気持ちが入らないんです。
でも1頭1頭、性格も違って、それぞれにストーリーがあるんだ。
にわこ
めーさん
この前、読んだ本にこんな一節が書いてありました。
『数学を使わない数学の講義』-小室直樹-
そうだよね!
これは人間の便利のための、作為の産物。
↑体格審査 90点(/100点満点中)のカスミさん。
かみのすけ
かわいけりゃいーじゃんね!
動物には、知ったこっちゃないけど、人間社会は数字で動いています。
今日の感染者数は何人?
世界の累計死者数は?
北海道の実効再生産数は?
全体を見るには必要な数字だと思います。
だけど、感染者の一人ひとりは、性格も違う一個人で、それぞれに大切な人もいて、ストーリーがある。
はい、あなたは1221番目の感染者です。
従って、あなたを共通言語で「1221」と呼びます。
あなたの息子さんは「1221の子」と呼びます。
だからこんな世の中だけど、忘れちゃいけないよ、数字は「人間の便利のための、作為の産物」
「イイね」の数の多さが、その人の価値なのか?
「友達数」が生きた証なのか?
数字で説明できない素敵なことっていっぱいある。
1人の人と、1人の人が手を組んで、2人で力を合わせたら、何倍にも力を発揮する化学反応を起こすことだって、あるよ。
「1+1」の答えが「2」とは限らないじゃないか。
日本中で何億本、売れてるか知らないけれど、
いま目の前の、この一杯を、最高に美味しく飲み干したいと思うよ!
牛舎仕事がんばったあとの、この至福は数字では表せねーーー!
にわこ
みなさんも、こんなご時世だからこそ、数字に表せないことに注目してみては?
したっけ。ごきげんよーう。
いつか自分の牧場の
耳標をキーホルダーにしたい
かみのすけ